- ながら
- ながら【乍ら】(1)動詞および動詞型活用の助動詞の連用形に付いて, その動作・作用と下にくる語の動作・作用とが並行して行われることを表す。
「楽しく語り合い~, 並木道を歩いて行った」「ラジオを聞き~, 仕事をする」「辛うじて待ちつけて, 喜び~加持せさするに/枕草子28」
(2)体言・動詞, および動詞型活用の助動詞の連用形, 形容詞の連体形(古くは形容詞語幹)などに付いて, 上の事柄と下の事柄とが矛盾する関係にある意を表す。 …にもかかわらず。 …ではあるが。 …ているのに。「悪口を言われ~, 少しも怒らない」「若い~気がきいている」「身は賤し~, 母なむ宮なりける/伊勢 84」
(3)体言・副詞, 動詞の連用形などに付いて, ある状態のままである意を表す。 …のまま。 …のとおり。「立ち~握り飯をほおばる」「いつも~の事だ」「旅の御姿~おはしたり/竹取」「かく~ともかくもならむを御覧じはてむと思し召すに/源氏(桐壺)」
(4)体言・副詞などに付いて, 「全部」「すっかり」「それごと」などの意を表す。「リンゴを皮~かじって食べる」「赦(ユル)されもないに, 三人~島を出でたりなど聞こえば/平家 3」
〔(1)語源は, 上代の連体格助詞「な」に体言「から」の付いたものといわれる。 (2)体言や副詞に付くものは, これを副助詞, また, 接尾語とする説がある〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.